吐月峰柴屋寺由来略記より抜粋

吐月峰柴屋寺の庭園は宗長法師自作にして京都東山銀閣寺の庭園を擬したるものなり。
東方には東山の月、園中、宗長法師の月見石あり、南方丸子富士を望み、西北には天柱山あり。

これらはすべて庭園の築山なり。宗長法師閑居以来月の名勝地となる。
常に文人墨客の杖を曳かれたる勝地なり。

昭和11年9月文部省より静岡県名勝及史蹟庭園に指定せらる。


竹は京都嵯峨より宗長法師の移植せしものにて其の時の句に
幾若葉はやしはしめの園の竹
山桜 おもふ 色添ふ 霞かな (宗長)


 丸子富士
 かぎりなきとしやは暮す不死の雪 (宗長)


永正九年二月山畑に宇治の茶の実をもち来って植うるとて
山しろの宇治のかほりに堪がたし
種をまきおく柴の山畑 (宗長)

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