「災害時に威力を!!」避難所・生活情報の情報入力・検索システム
女子学生らが卒論で開発し公開
1998年11月6日、静岡市の安倍川河川敷で静岡市の地域防災訓練が大掛かりに行われた。
会場では数台のパソコンを囲む静岡県立大経営情報学部渡部研究室のグループが注目を集めた。
「災害時に自治体、報道機関などが流す情報は全体に関連する公式情報、偏った情報などが主です。被災者や被災者の知人などには公式情報も必要ですが、個人情報や狭い地域の情報、つまり非公式情報をもっと必要としているのです・・・・。」
このテーマを卒業論文にと取り組んだのが、渡部研究室の手塚順子さん(4年生)。
インターネットの特性を活用した避難所・生活情報の情報入力・検索システムの開発に全力投球。
一年半の構想、3ヶ月の制作日数、渡部和男助教授、メーカーの協力などがあって、「避難所情報システム・プロトタイプ」が完成した。
・・・DO it yourself・・これがこのシステムの「キーワード」という手塚さん、被災者・救援団体・ボランティアそれに自治体・報道機関などがアクセスし、入力・検索するシステムを目指していると強調する。やはり女性らしく情報検索のトップ項目は「スーパー・商店」・・食料の入手先情報です。
プログラミングは、SQLを使い市販のデータベースソフトで開発し、安価なコスト、容易に入手可能なもので組んだという。
この「システムの情報の弱点は、提供された個人情報などの信頼性をどう確認するかです・・・」と新たな難問もかかえる。
いずれにしても、このような「草の根災害情報システム」は、単数でなく複数、それもネットワークをめざさないと効果を生まない。ぜひその方向に進んでほしい。
その動きの第一歩が静岡に根づくことを念願する。