1998年9月5日、静岡市の駿府城跡の公園に昔懐かしい人力車が走った。
これは、「徳川慶喜と明治の静岡」推進協議会が公園内に「慶喜茶屋」をつくったのに協賛してはじまった。
いなせな車引きは「駿府・俥夫の会」の面々。漆塗りの本物の人力車にのれるとあって人気は上々。
城内一回りで、おふたりさん300円の奉仕料金。11月23日までの土・日曜日に活動する。
「駿府・俥夫の会」が、結成されたのは今年の初夏のこと。
残り少ない人生を、憧れの俥夫でとおもいたったのは、静岡市曲金の五條 満さん(62)。
男の贅沢は「人力車」・・・奥さんに大枚二百万円を出してもらい車を購入。
・・・・・山内一豊の妻は、ここにもいた・・・・・
男の心意気に、いなせな男たちが駆けつけ、会員12名の「駿府・俥夫の会」が旗揚げした。
スタートは、八月末のデパート・イベント「東海道23次宿展」で、今回が2回目。
計画当初の苦労は、行政機関との折衝だったという。「なにせ人力車は、リヤカーと同じ分類。交通渋滞のこの時代、交通渋滞になると通行許可などは、もってのほか・・・・」。
車庫探しも苦労の連続、今は自宅裏の畑をつぶして車庫にしたという。
なにはともあれ、発足以来のマスコミのとりあげようで、いまは事態は好転しつつあるという。
「駿府・俥夫の会」の活躍が注目を浴び、10月25日の「由比宿まつり」に参加する。
1999年、初春には、静岡芸者の「新年あいさつまわり−−でぶるまい」を予定しており、あでやかな芸妓といなせな俥引きの顔合わせに人気が集まりそうである。
五條さんら十二人衆は「駿府城址の外堀めぐり」を計画しており、夢実現に向け駆け回っている。
「駿府・俥夫の会」 会長・五條 満
静岡市曲金4−12−17−5
電話:054−285−0445